フラという生きた記憶をたどる旅 100の足跡【12歩目】

第2部 伝承と歴史編:海を渡った星の民から、受け継がれし者たちへ

ALOHA! Ka Hōkūlani HULA STUDIOのMotoeです。

ハワイの大地に根を下ろした人々は、やがて大自然への祈りや神々の物語を、フラとして語り継いでいきました。

フラダンサーたちは、踊りを始める前に、まずフラの女神Laka(ラカ)を迎えることを何よりも大切にしていました。そのために設けられたのがKuahu(クアフ:祭壇)です。

クアフには、ハワイの森から摘まれた神聖な植物たちが丁寧に飾られます。強靭な生命力を持つʻŌhiʻa Lehua(オーヒア・レフア)や、ラカの象徴とされるMaile(マイレ)のツル、癒やしをもたらすPalapalai(パラパライ)のシダなど。古代ハワイの人々は、神々はKinolau(キノラウ:神の化身)として自然界のあらゆるものに姿を変えて現れると信じていました。

森から植物を摘み、祭壇に飾ることは、神々の化身を自分たちの空間へ迎え入れることでした。

整えられたクアフとラカを迎えた空間は、やがてフラを学ぶための学び舎Hālau(ハーラウ)へとつながっていきます。

古代ハワイのハーラウは、誰もが自由に出入りできる場所ではありませんでした。

フラを学ぶために選ばれた者たちは、家族や恋人と離れ、共同生活を送りながら数々のKapu(カプ:掟・禁忌)を守って暮らしました。

特定の食べ物を口にしてはならないという決まりもありました。たとえばHeʻe(ヘエ:タコ)は、手から知識が滑り落ちてしまうことを連想させるため禁じられていました。豚肉やタロ芋など神の化身とされる食べ物は、そのマナを受け取るために大切に食されました。

外界との接触を絶ち、ひたすらにオリとステップを重ねる日々。ただ呼吸と動きに向き合い続けるその時間の中で、感覚は少しずつ磨かれていきます。

やがて踊りは、技術として覚えるものから、自然の気配や神々の物語を身体で直接感じ取るものへと変わっていきます。それは、深い静寂の中で自分の内側に耳を澄ませ、誰もがラカの息吹とともに生きていることを思い出していく、学びの時間なのだと思います。

Me ke aloha pumehana,
Motoe


次回は、フラに欠かせない「レイ」と「オリ(詠唱)」に宿る言霊のお話です。

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