「今、ここ」に集中する時間:フラが教えてくれるマインドフルネスの魔法

ALOHA!Ka Hōkūlani HULA STUDIOのMotoeです。

私たちの毎日は、たくさんの情報と、絶え間ない思考で満たされています。
スマートフォンの通知、明日の仕事の心配、少し前にあった出来事への後悔…。

心はまるで休むことを知らない旅人のように、「過去」と「未来」の間を行ったり来たりして、気づけば、疲れ果ててしまっていることがあります。

そんな時、私たちが本当に必要としているのは——
「今、この瞬間」に、ただ静かに心を置く時間なのかもしれません。

近年、「マインドフルネス」という言葉が、心の平穏を取り戻すための鍵として注目されています。
それは、評価や判断をせず、ただ「今、ここ」で起きていることに意識を向ける心のあり方。

そして、フラ——特に私たちが大切にしている古典フラ(カヒコ)のレッスンは、このマインドフルネスを身体で体験できる、素晴らしい「動く瞑想」なのです。

1. 呼吸と共に、心を「今」に呼び戻す

私たちのレッスンは、いきなりステップの練習から始まることはありません。
まずは、静かな瞑想と、オリ(詠唱)から始まります。

目を閉じ、深く、ゆっくりと呼吸をする。
お腹から声を出し、その振動が身体中に響き渡るのを感じる。

この時、私たちは自然と「呼吸」という、常に「今、ここ」にあるものに意識を集中させています。

オリを唱えることは、単なる発声練習ではありません。
それは、乱れがちな思考を鎮め、あなたの心を、過去の後悔や未来の不安から、穏やかな「今」へと、優しく呼び戻すための儀式なのです。

2. 足の裏で感じる、大地との対話

マインドフルネスは、五感を使って「今」を感じることから始まります。
フラを裸足で踊ることは、まさにその実践です。

スタジオの床に立った時の、足の裏の感触。
イプヘケの鼓動に合わせて、大地をしっかりと踏みしめる感覚。
腰を揺らした時に、身体の重心がどう動くかという、微細な感覚。

これらの身体感覚に意識を向けている間、私たちの心は、余計な思考から解放されています。
頭で考えるのではなく、身体で感じる——その切り替えが、私たちを思考の渦から救い出し、身体という、常に「今」を生きている、かけがえのない我が家へと還してくれるのです。

3. 動きの繰り返しが、心をシンプルにする

「カホロ」「ヘラ」——フラの基本ステップは、シンプルな動きの繰り返しです。
一見すると、単調に思えるかもしれません。

でも、この繰り返しこそが、心を研ぎ澄ますための、素晴らしいトレーニングなのです。

右、左、右、左…。
ステップのリズムに身を委ね、手の動きに心を込める。

その一つの動きに集中している時、私たちの心はとてもシンプルになっています。
複雑な思考は消え去り、ただ、音楽と、自分の身体と、仲間たちの呼吸だけが、そこに存在します。

それは、まるで雑念を払い、心を清めていくような、浄化(カタルシス)のプロセスです。

フラは、あなたのための「心の聖域」

私たちのスタジオが、競争や評価から自由な「聖域(サンクチュアリ)」でありたいと願うのは、このマインドフルネスの体験を、何よりも大切にしているからです。

「うまく踊らなければ」というプレッシャーは、「今」への集中を妨げます。
「周りと比べて…」という思考は、あなたを、あなたの内側から引き離してしまいます。

ここでは、完璧である必要はありません。
大切なのは、ほんのひとときでも、思考の旅を休めて、「今、ここ」にあるご自身の身体と、呼吸と、踊る喜びに、ただ浸ること。

もし、あなたが日々の忙しさの中で、心の静けさを見失いそうになっているのなら——
フラという「動く瞑想」を通じて、あなただけの穏やかな時間を取り戻しに来ませんか。

90分間のレッスンが終わる頃には、きっと、頭の中がすっきりとクリアになり、心が軽くなっているのを感じられるはずです。

Me ke aloha pumehana, Motoe

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