ALOHA! Ka Hōkūlani HULA STUDIOのMotoeです。
レッスンが始まる前のひととき、皆さんはどのように過ごしていますか? 急いで着替えて、慌ただしく準備をすることも、時にはあるかもしれませんね。
でも、もし少しだけ時間があるのなら、ぜひ試していただきたいことがあります。それは、これから踊るご自身の身体と、やさしく対話する時間を持つことです。
フラを踊ることは、私たちの心と身体、そして魂が一体となる、とても神聖な体験です。その大切な器である身体を、愛おしむようにゆっくりと目覚めさせてあげる。そんな準備の時間は、怪我を防ぐだけでなく、あなたの踊りをより深く、しなやかなものにしてくれます。
今回は、スタジオでも、ご自宅での練習前にも簡単に取り入れられる、5つのやさしいストレッチをご紹介します。
1. 首まわりの解放:天と繋がる意識を
フラでは、視線や顔の向きも大切な表現の一部。首や肩に力が入っていると、動きが硬くなってしまいます。まずは、頭の重さを利用して、ゆっくりと緊張をほどいていきましょう。
- やり方:
- 楽な姿勢で座るか、立ちます。
- 息を吐きながら、ゆっくりと頭を前に倒します。首の後ろが心地よく伸びるのを感じましょう。
- 息を吸いながら、ゆっくりと頭を右に回し、吐きながら後ろへ。吸いながら左へ、吐きながら前に戻ります。
- これを2〜3周、ご自身の呼吸のペースに合わせて繰り返します。反対周りも同様に行いましょう。
- やさしいヒント: 決して無理に回そうとせず、「頭の重さで円を描く」ような意識で行うのがポイントです。目を閉じて行うと、より内側の感覚に集中できますよ。
2. 肩甲骨のストレッチ:物語を紡ぐ腕のために
フラの手の動き(ハンドモーション)は、言葉そのものです。その腕の動きを滑らかにするために、肩甲骨まわりをほぐして、腕が自由に動くための土台を整えましょう。
- やり方:
- 両手を肩の上にそっと置きます。
- 息を吸いながら、両肘を前から上へと持ち上げます。
- 息を吐きながら、背中側で肩甲骨を寄せるように意識して、肘を後ろから下へと下ろします。
- この円運動を、呼吸に合わせて5回ほど繰り返します。反対周りも行いましょう。
- やさしいヒント: 腕の力で回すのではなく、「肩甲骨から動かす」ことを意識してみてください。背中が温かくなってくるのを感じられるはずです。
3. 股関節のウォーミングアップ:フラの基本姿勢を楽に
フラの基本姿勢は、膝を少し曲げて腰を落とします。この姿勢を安定させるには、股関節の柔軟性が大切です。大きな筋肉が集まる股関節を、やさしく動かして温めてあげましょう。
- やり方:
- 足を肩幅より少し広めに開いて立ちます。
- 両手を腰に当て、膝を軽く曲げます。
- 腰で大きな円を描くように、ゆっくりと左右に5回ずつ回します。
- やさしいヒント: これは、フラの動き「アミ」の準備運動にもなります。上半身がぐらつかないように、お腹に少し力を入れて行うと安定します。
4. 足首のストレッチ:大地を踏みしめる一歩のために
カホロなどのステップでは、足首がしなやかに動くことが、スムーズな体重移動に繋がります。見過ごしがちですが、私たちの全体重を支える足首を、丁寧にほぐしてあげましょう。
- やり方:
- 椅子に座るか、壁に手をついて安定した姿勢をとります。
- 片足を少し持ち上げ、つま先でゆっくりと大きな円を描くように、足首を回します。
- 内回し、外回しをそれぞれ10回ほど行います。反対の足も同様に行いましょう。
- やさしいヒント: 回す時、ゴリゴリと音がすることもあるかもしれません。痛みがなければ大丈夫。自分の足首の状態を観察するような気持ちで行ってみてください。
5. 全身の伸び:心と身体を空へ開く
最後に、全身を気持ちよく伸ばして、縮こまっていた身体を目覚めさせましょう。
- やり方:
- 足を肩幅に開いて立ちます。
- 両手を前で組み、息を吸いながら、手のひらを返してぐーっと天井に向かって伸びをします。
- 息を吐きながら、ゆっくりと腕を横から下ろします。
- これを2〜3回繰り返します。
- やさしいヒント: 伸びをする時、かかとも一緒に持ち上げてみると、ふくらはぎのストレッチにもなります。身体の隅々まで新鮮な空気を送り届けるイメージで行いましょう。
これらのストレッチは、ほんの5分もあればできます。 レッスン前のこの短い時間が、あなたの身体を怪我から守り、心を日常からフラの世界へと切り替える、大切な儀式(リチュアル)となります。
ぜひ、ご自身の身体を慈しむ時間として、取り入れてみてくださいね。 あなたのフラが、いつも健やかで喜びに満ちたものでありますように。
Me ke aloha pumehana, Motoe
