ALOHA!Ka Hōkūlani HULA STUDIOのMotoeです。
この記事では、ハワイの創世神話『クムリポ(Kumulipo)』の意味と、フラとのつながりを解説します。
ハワイ文化を深く学びたい方、フラを通じて心と世界の調和を感じたい方におすすめです。
『クムリポ』とは何か?ハワイ神話の核心
『クムリポ』は、ハワイの創造神話であり、2,000行を超える長大な詠唱(チャント)です。
文字を持たない口承文化の中で、選ばれた人々によって記憶され、世代を超えて受け継がれてきました。
その目的は、単なる「世界の始まり」を語ることではありません。
『クムリポ』は、宇宙の起源とハワイの王族(アリイ)の系譜を結びつける神聖な祈りでした。
18世紀、高貴な首長カラニヌイアママオの誕生を祝うために編纂され、王の血筋が神々の秩序と繋がっていることを示す「証明書」の役割を果たしていたのです。
ポ(Pō):すべては「深い闇」から始まった
『クムリポ』という言葉は「始まりは深い闇」を意味します。
宇宙の創造は16の「ヴァ(Wā)」と呼ばれる時代に分かれ、その前半は「ポ(Pō)」と呼ばれる神聖な闇の時代です。
この闇は混沌ではなく、生命の源泉。
そこから原初の生命が生まれ、やがて形を成し、「アオ(Ao)」—光の時代が訪れ、人間が創造されます。
西洋の創世神話が「光」から始まるのに対し、ハワイの宇宙観では「光を生み出すための闇」が先に存在する。
ここに、ハワイ独自の深い世界観が表れています。
宇宙の秩序:「海」と「陸」の二重性
『クムリポ』の中で特に美しいのは「二重性」の概念です。
生命は「対(ペア)」で生まれると語られています。
例えば、海に黒サンゴが生まれると、陸には鳥の巣シダが生まれる。
海と陸は別々ではなく、一つの現実の二つの側面。
互いに支え合い、バランスを取りながら完全な世界を形作っているのです。
これは、古代ハワイアンが生態系の相互関連性を深く理解していた証です。
創造のゴールは「ポノ(Pono)」
創造の各時代の終わりは「ポノ」という言葉で締めくくられると伝えられています。
「ポノ」とは「正義」と訳されることもありますが、その本質は完全なる調和と秩序、バランス。
宇宙の創造そのものが「ポノ」を達成するためのプロセスでした。
しかし同時に、人間の意識や欲望がその調和を乱す存在であることも示唆されています。
なぜこの神話がフラにとって重要なのか
フラを踊ることは、単に美しい動きを披露することではありません。
それは、『クムリポ』が示す宇宙観を身体で再確認する行為です。
「私たちは自然と切り離された存在ではなく、海や陸の生き物、そして神々と繋がる壮大な系譜の一部である」
その真実を体現するのがフラなのです。
そして、日々の生活で乱れがちな心と身体のバランスを取り戻し、自分自身の「ポノ」の状態を回復するための努力。
これこそが、フラの実践であり「動く瞑想」と呼ばれる所以です。
Ka Hōkūlani HULA STUDIOでは、振付を覚えることだけでなく、その背景にある神話や文化、そして言葉の意味を深く学ぶことを大切にしています。
Me ke aloha pumehana, Motoe
